中原道夫の句集

「銀化」主宰・中原道夫の句集を紹介します。

(インターネットでは使えない本字[旧字]を一部略字で表記しています)

 

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一夜劇(いちやげき)

第12句集

2016/10/25刊行

菊判変型ハードカバー装

ふらんす堂

276頁

3500円税別)

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【自選12句】
片付かぬ歳尾の見ゆる歳首より
ひたすらにも飽き何處ゆく風二月
桃の汁肘にて思案して止まる
鬼胡桃鬼の棲むには手狹なる
蟻喰の舌を登れる蟻二三
蠅帳の中より匂ふ一夜劇
うろこ雲是非また寄れといふ別れ
かまどうま髭ある障りなく跳べる
ひづめやはらか春萌に私淑して
目を細め春が見えるといふ盲目

さうすれば良いと菊など切りくれし

狼は時間の溪閒さかのぼる

百卉(ひやくき)

 第11句集

2013/8/9刊行

菊判変型ハードカバー装

ふらんす堂

248頁

3000円税別)

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【自選句より】

あとかたも殘さじと雪炎の中へ

老人を閒引かば春の土濡れて

ほんたうに世も末と知るがうな鎖づ

虚子忌なり蝶の色問ふ人もなし

ゆふだちのころはいづこにをりしかと
秋霖の百卉濡らして濡れぬもの

いちじくを裂いて王朝スキャンダル

十二月八日未明贅肉と歩き出す
堰に来て水薄くなるつばめかな
ざわつかぬものなしむかでのおでましに
堪へがたき星のかむさる捨案山子
都々逸をマスクの中で復習ひたる

天鼠(てんそ)

第10句集

2011/4/28刊行

菊判変型ハードカバー装

沖積舎

254頁

3500円(税別)

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【収録句より】

蔵六の腹平らなり祭り来る
物遠も逝きしと聞かぬ蓼酢かな
うつせがひ浦鴎に秋の色を見て
昼過ぎを霰の残る芹生かな
梢塗りつぶす夜やむささび展く夜や
癇癪は玉にしておけ春までは
つばくろや鐘の中には未生の韻
噴水の頭打ちなる水あはれ
鼓虫は日輪ずらしゆく呪文
草結ぶ酒に溺るる蚊も来よと


緑廊(パーゴラ)

第9句集

2009/9/10刊行

A5判

角川学芸出版

320頁

3300円税別)

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【収録句より】

ひとさめと雨をかぞへて敗蓮

密密と隙間締め出しゆく葡萄

種採るや零せし方のまさきくあれ

いにしへのままをくるしむけふのつき

あきかぜもひきとめしゆゑ逗留す

託老所に隣る託兒所日短か

海鼠を拆くやわれに蘭學事始

旅寝なら鳥海山の裾草刈つて

見よやこの氷塊の末いさぎよし

舳先いま星楡割きつつ春の航

蝶意(ちょうい)

和英對譯句集

2009/10刊行

邑書林

3086円税込)

邑書林で購入

21世紀に風狂の俳諧精神を復活させるべく身震いするような俳と詩の邂逅に挑みつづける中原道夫の430句が、名訳を得て新たなる読みの可能性を広げる!
〈j.カーカップ・玉城周訳〉

巴芹(パセリ)

第8句集

2007/9/20刊行

菊判変型上製カバー装

ふらんす堂
298頁

3048円(税別)

【収録句より】

鮎の針どこぞ故山にひつかかる
もてなすに裸になれと勧めたる
とみかうみあふみのくにのみゆきばれ
芽吹後の約束違ふではないか
竹馬や黄泉はぬかるといふ晴子
春深しどの家も間引く子のあらず
惨たるは金魚に深く避けたる尾
戀の字もまた古りにけり竈猫
やどかりのかりねのうさをはらすおと
日短か嵯峨も去来の墓の辺は


不覺(ふかく)

第7句集

2003/6刊行

角川書店

245頁

2800円(税別)

【十句抄】

命日のかち合ふ火鉢ふたつみつ

いひとむる力のなくて春の景

うたかたのかたち欲りゆく石鹸玉

糊塗すぐに紙魚に知らるるところかな

にはとりの血は虎杖に飛びしまま

忘れずにゐて秋風を立たせけり

かねてより余を吹き残す野分かな
雪暮れや憎くてうたふ子守唄
日の丸は洗ひに出さず稲の花

傳統は燈下にありて夜なべせる

中原道夫俳句日記

第6句集

2001/10刊行

A5判変型上製カバー装

ふらんす堂

220頁

2800円(税別)

【収録句より】

・一月一日 二〇〇〇年元旦

玉となる水めでたけれ初昔
・四月十一日 朝のうち霰が降る、枝垂櫻、八重櫻咲きはじめる

月竝にさくらの散れるあしたかな

・六月十日 「ふらんす堂」句會お茶の水吟行會のあと最終便で松山行
オノマトペ考へてゐる金魚の尾
・九月一日 夢二忌

棒と杖ちがひおのづと秋風裡
・十月十一日 横濱伊勢崎町の畫廊で矢野眞の木彫に出遭ふ
しろうさぎくろうさぎあきにかたまれる
・十二月三十一日 新潟の實家にて

大年の無聊を空と分つかな

歴草(そふき)

第5句集

2000/12/30刊行

菊判変型ハードカバー装

角川書店

223頁

2800円(税別)

【収録句より】

瀧落ちて水のあとさき狂ひけり

みくまりをいまあらたまのみづのおと

秋の草歴草を岐くるべく長ず

誰そ彼をいちはやく知る氷柱かな

澄むこころ月の重さに耐へてをる

橙盞を舐る橙穂おぼろの夜

復路とは重なりあはぬ蝸涎かな

蠅叩いまはの際にひたと寄る

實梅籠實梅みたして隙ばかり

そこはかといふは雪吸ふ水の皃
口寄せに呼ばれざる魂雪になる


銀化(ぎんくわ)

第4句集

1998/7/7刊行

菊判変型ハードカバー装

花神社

207頁

3000円(税別)

【収録句より】

火宅より火宅へ氷柱届けらる

中有かな茎立の花どれも似て

借りて來し猫なり戀も付いて來し

六道のおぼろを言ひつ舟を出す

忿り少しく打水展く高さあり

蛭と蛭吸ひあふこともなく暮れし

油壓もて日月あがる松の芯

ゆきしなに盗壘のこと胡瓜のこと

ゆふがほは陰口を聞き開く顔

高跳びの空じれつたくしておかむ

アルデンテ

第3句集

1996/4/15刊行

菊判変型ハードカバー装

ふらんす堂

171頁

2718円(税別)

【自選10句】

飛込の途中たましひ遅れけり

空瓶の積まれ上手を秋の暮

枯芝を膄を擦りホース行く

琴柱とは芹水跨ぐかたちにて
海市いま倒れし景を起こしたる

病巢に朗報はなしはるのくれ

瀧壺に瀧活けてある眺めかな
寄りてまた無灯にてゆく海月かな

他所ゆきの體通して春の服

徂春の五段蒸籠の噴くことよ

顱頂(ろちよう)

第2句集

1993/9/11刊行

角川書店

183頁

2524円(税別)

第33回俳人協会賞受賞作

【収録句より】

田楽を食ふに等しく前のめり

江ノ島のやや遠のける九月かな

朝曇水蠆の出てゆく日なりけり

蟲喰の松眞赤なり鳥歸る

ぞつくりと野蒜を抜きし穴に雨

白魚の睦むといふは煙のごと

波多野爽波逝去

かの波も力の盡きし秋の暮

腥き水のこばれる恵方かな

蜂の巣を嶮しき貌の出てゆきぬ

麥稈の韵を涼しと被りけり


蕩児(とうじ)

第1句集

1989/7/20刊行

富士見書房

(ふらんす堂 〔新装版1994/12〕あり)

219頁

2524円(税別)

第13回俳人協会新人賞受賞作

【能村登四郎選】

白魚のさかなたること略しけり

天使魚の愛うらおもてそして裏

屏風絵の鷹が余白を窺へり

捩花をねぢり戻してみたりけり

あぶな絵にいやにちひさき蛍籠

豊年の湯呑すつぽり手に隠る

走り根をよけて夜店の出来上る

西瓜種鳩舎の前に来て吐けり

北塞ぎかの麗子像描かれしと